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『木島日記 乞丐相』

 大塚英志『木島日記 乞丐相』角川書店、2002 「あってはならない物語」、折口信夫を狂言回しとしたフィクションの2作目である。大塚が原作し、森美夏の漫画である「木島日記」を原作者がノベライズした小説。   著者の迷惑な人柄を仮託された登場人物が折口を悩ませる辺りは同情を禁じえない。現実にこんな人間がいたら一人として知り合いになりたくない人間ばかりであ~る(安江大佐のマネ)。  表題作は、迷い子石を空間転...

『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』

 梅田望夫『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』ちくま新書、2006 ネットの「あちら側」で何が起こっているのか、低コストで簡単に表現媒体を入手できる総表現社会は何を意味しているのか、Web2.0とは何か、徐々に始まる確実な社会変化について述べている。様々な示唆に富む本である。  インターネットのことだけでなく、ネットとリアル社会との関係を再考する上でも、多くのヒントに溢れた本である。  キーワードは...

『死者の体温』

 大石圭『死者の体温』河出書房新社、1998 初めて読んだ大石作品。  粗筋は、それなりに裕福な青年が、気に入った女性をマンションの自分の部屋に連れてきて、眠っているところを絞殺し、死ぬ間際の心臓の鼓動を聞き、最後は別荘に埋める、その繰り返し。合間合間に殺人が発生し、主人公の人生が断片的に語られる。  主人公は恐怖が欠如している。物語は淡々と進む。主人公の趣味はなかなか良く、部屋の間取り、音楽、給料の一...

『飼育する男』

 大石圭『飼育する男』角川ホラー文庫、2006 凶悪犯罪が描かれているのに、犯人自身やその行為について相変わらず凶悪な印象を抱かないように抑制されている文章。  気に入った女性を、蝶の標本のように、拉致し、コレクションするという内容。いつものように、逮捕されそうなことを匂わせて終わる。  『死者の体温』や『湘南人肉医』のように、主人公は裕福で、美男子に近く描かれている。但し、殺人をしないので、その点は2...

『水底から君を呼ぶ』

 大石圭『水底から君を呼ぶ』光文社文庫、2006 熱帯を舞台にした、ややホラー的なラブストーリー。  この作者は人の闇や悪意を描くのが上手い。それを知っているから書くのであって、本人が言うように、光の部分について書くのは彼の役割ではないのだろう。  美奈子は、大石作品の中でもっとも嫌悪される悪役だろう。  『処刑列車』においても人間の悪意というものが描かれていたが、本作品は日常においてありそうな悪意を描...

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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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