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『問いの書』

 エドモン・ジャベス『問いの書』書肆風の薔薇、1988 これはサラとユーケルという二人の恋人の物語(レシ)という形をとった、ある壮大な物語である。  背景にアウシュヴィッツに代表されるユダヤ人虐殺がある。  タルムードのように、ある言葉についての注釈が際限なく語られ、何が起こったのかを暗示する。あたかも、適切にそれを指し示す言葉がないかのようだ。文学形態としても、他に類のないもので、簡潔な文体の言葉がいく...

入信と信仰

 信仰の世界に入ることを「入信」と表現することがあります。 言葉の意味は、ある何らかの宗教信条の中に入るということでしょう。ただ、日本語のこの言葉には、いくつかの宗教の中から自分でどれか一つを選びとるような意味合いがあります。付言すれば、無神論・無宗教であるということも、一つの立場の表明なのです。たとえその態度が自覚的でないとしても。 「入信」、私はこの言葉にある種の嫌悪感を覚えます。 トランプの...

『リスト ヴィルトゥオーゾの冒険』

 ウラディミール・ジャンケレヴィッチ(伊藤制子)『リスト ヴィルトゥオーゾの冒険』春秋社、2001 訳者あとがきによれば、「本書はリストについて語りながら、十九世紀のヴィルトゥオジテの文化とその美学に肉迫し、またヴィルトゥオジテについて論じながら、リストの音楽の核心に切り込んでいく」もので、著者ジャンケレヴィッチは「驚くべき博識を駆使し、ヴィルトゥオジテをたんなる音楽的な現象としてではなく、人類が蓄積し...

『仕事と日々・夢想と夜々』

仕事と日々・夢想と夜々―哲学的対話(1982/04)ジャンケレヴィッチ商品詳細を見る ジャンケレヴィッチ(仲沢紀雄訳)『仕事と日々・夢想と夜々』みすず書房、1982(1978) 原題『どこかあるところで終わりなきままに』という書名を持つ本書は、ベアトリス・ベルロヴィッチとジャンケレヴィッチによる対話である。しかし、問いと答えという対話を二人は警戒し、あることについて互いに考えを述べ合うという形にしてある。  ジャンケレ...

『音楽と筆舌に尽くせないもの』

音楽と筆舌に尽くせないもの (ポリロゴス叢書)(1995/03)ヴラジミール ジャンケレヴィッチ商品詳細を見る ヴラジミール・ジャンケレヴィッチ『音楽と筆舌に尽くせないもの』国文社、1995(1961) この本は、分類不能の哲学者ジャンケレヴィッチの音楽書でもなければ、音楽論でもないし、哲学書でもない。 訳者あとがきの要約が最も適切だろう。「この著書は、要は、音楽を聞き、楽譜を読み、あるいはピアノを演奏しながら、つまり...

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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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