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あまりに真実なことは不実である

 おそらく、誰もが小さい頃、「嘘をついてはならない」と教えられたことだろう。子供の時分ならば、嘘も他愛のないものであり、仮に嘘を吐いても、ちょっとした小言や説教ですむだろう。とはいえ、いついかなる時も嘘をついてはならないとなると、世の中を生きていくのは著しく困難になる。言いかえれば、誰もが真実を言うような世界は、悪夢的に耐えがたい世界と言える。アメリカの作家ジェームズ・モローの"City of Truth"(『真...

『フィシュ アドルノ賞記念講演』

フィシュ―アドルノ賞記念講演(2003/02)ジャック デリダ商品詳細を見る ジャック・デリダ(逸見龍生訳)『フィシュ アドルノ賞記念講演』白水社、2003(2002) 本書は、アメリカ同時多発テロ直後、2001年9月22日にフランクフルト市で行われたアドルノ賞記念講演の翻訳です。訳者によれば、本書は、デリダの資料体において、アドルノへの言及が集中して見られる、おそらく初めてのテクストでしょう。 冒頭で、自分の夢に対して、人は...

『六本指のゴルトベルク』

六本指のゴルトベルク(2009/02/24)青柳 いづみこ商品詳細を見る 青柳いづみこ『六本指のゴルトベルク』岩波書店、2009 トマス・ハリスの生んだ怪物ハンニバル・レクター博士は中指が二つあったようで、本書のタイトルはレクター博士の演奏によるバッハ「ゴルトベルク変奏曲」から来ています。カナダの天才ピアニストであるグレン・グールドがデビューした時の作品として有名です。 古今東西の純文学やミステリーの中から、音楽...

『戦争とプロパガンダ』

戦争とプロパガンダ(2002/02)エドワード・W. サイード商品詳細を見る エドワード・W・サイード『戦争とプロパガンダ』みすず書房、2002 2001年9月11日のアメリカ合衆国における同時多発テロ事件をめぐる『アル・アフラーム・ウィークリー』に掲載された七つの記事と、9月末に実施されたデイヴィッド・バーサミアンによる緊急インタビューによって、本書は構成されています。 著者は、合衆国が異様な興奮状態に包まれ戦争熱が盛...

頭の良い人

 塩野七生の『男たちへ』の第1章は「頭の良い男について」というタイトルです。その中で、作者は「日本では、教育はあっても教養のない男(これは女でも同じだが)は、まったくはいて捨てるほど多い」と述べています。 私は時折、死語を使いますが、その一つが「教養」です。私が出身大学の命名変更を行った学長を大したことない人と思うのは、このまさに「教育はあっても教養のない男」だからです。もう少しマシなネーミングので...

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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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