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無神論のリスクを負う者だけが一神教を信仰できる

 レヴィナスは『困難な自由』において、「一神教は疑念、孤独、反抗の年齢に達していない者には不可能」であると述べ、無神論に陥るかもしれないリスクを成人(おとな)の代価として引き受けられる人にしか一神教を信仰することはできないと記しています。  けれども、それは考えてみると当然のことです。 善悪についての明確な汎通的基準がない中で、もう少し耳慣れた比喩を使えばグレーゾーンの中で、それでも善をなそうとする...

今年の良いニュース:たくさんの出会いという神秘

 今年は一日の睡眠時間が短い中でも、できることを少しずつやっていくことができただけでなく、多くの新しい出会いを与えられたことが自分の中での最もすばらしいニュースです。縁というのは人間には作り出せないものですので、どういう出会いがあるかなんてのは全く未知数です。わはは。  今年は所属教会を変わることが一つの分岐点でした。 転会理由も「近場の教会に通いたい」という無難なものではなかったので、転会前も後...

『海辺のカフカ (下)』

 村上春樹『海辺のカフカ (下)』新潮文庫を読了。 ナカタさんと旅をしていた星野青年は、ナカタさんの遺志を継ごうとする。けれども、ナカタさんはそういう務めを星野さんに「お願いします」と頼んだわけではない。星野さんが勝手に「これをしないとナカタさんはきちんと死ねない」と考えたことをしたまでです。けれども、たぶん、弔うというのはそういうことなのだと思います。もうここにはいない誰かが、この「私」に何かをし...

『海辺のカフカ (上)』

 村上春樹『海辺のカフカ (上)』新潮文庫を読了。 30歳になって初めて村上春樹の作品を読みました。この作品はもっと早く読むべきなのかもしれません。けれども、主人公の年齢を過ぎてから初めて読む、という読み方もあってよいでしょう。少なくとも、私にとってこの作品を読むことはすばらしい読書体験でした。 個々の部分でも印象的なところはたくさんありました。カフカ少年とナカタさんは、とても礼儀正しい人たちです。礼...

村上春樹とボンヘッファー及びレヴィナス

 村上春樹作品では、宇宙論的に邪悪なものによって主人公や主人公の愛する人々が損なわれます。 しかし、そこで主人公たちは旧約聖書のヨブのように、「私が何をしたので、こういう不条理な目に遭うのだ」と真相究明をすることもないし、不可解な出来事の意味を超越者に尋ねることもしません。 そうではなくて、ディフェンスを固める方向に行きます。具体的には、礼儀正しく振る舞って、周りの人から必要な支援や情報を引き出す...

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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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