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『ダンス・ダンス・ダンス(上)』

 村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス(上)』講談社文庫を読了。 『羊をめぐる冒険』から約4年後の「僕」の話。主人公は34歳。歳を取ったことをしみじみと実感している。 夢に導かれて北海道に行って羊男に会ったり、綺麗な顔の少女と知り合ったり、中学の同級生が出てきたり、礼儀知らずの刑事が出てきたり、とにかくいろんな人物が出てきます。そして、話はどこに行くのかよくわからない。けれど、いや、だからこそおもしろい。...

『羊をめぐる冒険 (下)』

 村上春樹『羊をめぐる冒険 (下)』講談社文庫を読了。 「僕」とガールフレンドは北海道に向かう。目当ての「羊」はそこにいるわけだ。 それを探し出すプロセスにおいて、「僕」はいろんなものを失い、損なわれる。そして、そのことには何の意味もない。試練でもなければ何らかの教化的意図もない。「猫の手を万力で潰すような」邪悪なものによって、「僕」も「鼠」も損なわれる。 そのように理不尽な目に遭っても、「僕」は旧...

『寝ながら学べる構造主義』

 内田樹『寝ながら学べる構造主義』文春新書を読了。 寝っ転がりながらでも20世紀フランス発祥の思想「構造主義」を学べるという愉快な入門書。 入門書なので、構造主義思想家の思想を網羅的に解説してはいませんが、どういう時代背景と思想史の文脈で個々の思想家が登場したかはきちんと書いています。そして著者は、彼らの仕事が私たちにどれほどの善きものをもたらしたのかを、腰の低い姿勢で読者に差し出しています。その構...

『羊をめぐる冒険 (上)』

 村上春樹『羊をめぐる冒険 (上)』講談社文庫を読了。  『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』に続く三部作の最後の作品。 前作で青年であった鼠と「僕」は、20代も終わりに近づこうかという年になっている。そのことがまず前作からのつながりを読者に感じさせる。 しかし、そのためだけにつながりがあるのではない。本作で書かれていることが明確な意図によるものだったことは、3作品の文脈に置いて、初めてわかることな...

村上文学の世界性

 先週『1Q84 Book3』が発売されました。私はまだ他の村上作品を読んでいる途中なので、この作品は後回しですが、とても楽しみにしております。 御存知のとおり、今や日本を代表する世界的文学者である村上春樹について、わが国の多くの批評家(およびかなりの数の作家)たちが「毛嫌い」ないし「無関心」を示しています。 世界的な評価とドメスティックな無関心の対比はまことに興味深い。 これを「売れているから嫉妬している」...

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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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