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『呼吸法の極意 ゆっくり吐くこと』

呼吸法の極意 ゆっくり吐くこと呼吸法の極意 ゆっくり吐くこと
(2005/01)
成瀬 雅春

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 成瀬雅春『呼吸法の極意 ゆっくり吐くこと』BABジャパン、2005

 呼吸は誰もが無意識にやっています。また、自分が普段している呼吸の仕方以外に、呼吸のやり方があるとはおそらく考えないし、自分の呼吸がどれだけ深いかに注意を払うこともありません。けれども、立ち止まって、呼吸に意識を向けてみると、ゆっくりとした呼吸になり、普段どれだけ浅い呼吸をしているかがわかります。意識を向けた瞬間から呼吸は落ち着く方向へ向かいだします。そして、「意識を向け出した時から落ち着く」という呼吸の性質を利用すれば、更にゆっくりとした深い呼吸を身につけることができます。つまり呼吸の落ち着いている時に意識を向ければ、もっと落ち着いた深い呼吸になります。

 ここからスタートするのが、ヨーガ呼吸法です。そして、本書では、呼吸をする上での具体的なテクニックを教えています。著者によれば、細かなテクニックを定めている呼吸法は少ないそうです。「気持ちよく息を吸い込んで、ゆっくりと吐きましょう」とか「緑の森の中をイメージして、深い呼吸をしましょう」というのは、イメージ呼吸であって、著者の言う呼吸法ではありません。本書で著者が示す呼吸法は、呼吸の確かなテクニックを身につけるためのものです。そのために「吐く前の喉の状態」「舌の位置」「呼吸の強さ」「呼吸の長さ」「呼吸の音質」「腹部の使い方」「胸部の使い方」「呼吸の回数」などを細かく指定しています。基本は、ゆっくり吐くことと、呼吸に意識を向けることです。

 また、本書では、ヨーガ経典に記された呼吸法の極意も紹介しています。著者は単に経典の記述を鵜呑みにして難解な言い回しをするのではなく、自身で点検して、経典の曖昧な部分を具体的かつわかりやすい言葉を用いて説明しています。その全てを呼吸法の初心者がいきなり実践するのはむずかしい。例えば、喉を開閉したり、呼気を唇で分断したりする技法は初心者にはむずかしい。私はできそうなところから試しています。

 各呼吸法を記しているところでは、やり方だけでなく、効果も書いてあります。例えば、下部呼吸法のやり方はこうです。ゆっくり息を吐いていくと腹が自然に引っ込み始める。そのままさらに腹を引っ込ませながら吐いていく。吐き終わったら、瞬間的に腹部の力を緩める。次にゆっくりと息を吸っていき、腹が少し膨らむくらいまで吸い込む。これを鼻呼吸で繰り返します。効果は、健康法ということなら、これで全てクリア―してしまい、また血液の循環がよくなり、精神的にも安定する。女性がこの呼吸法を体得すれば、社会的にも実力を認められる、と書いてあります。この下部呼吸法を実践してみて、いらいらすることが減り、精神的に安定するようになりました。パソコンに画面がすぐに出力されなくても、その時間を使って呼吸法を行うことで、落着きのなさから解放されました。これだけでも試してみる価値はあります。

 もちろん、この下部呼吸法以外にも、胃腸や内臓の弱い人に効果的な中部呼吸法、決断力と精神力を増大させる上部呼吸法、肉体と精神のバランスを整える効果のある安楽呼吸法、暑さを抑える冷却呼吸法などが紹介されています。

 呼吸は精神状態と関係しています。精神が安定している時はゆっくりと規則的な呼吸になりますが、不安定な精神状態の時には早くて不規則な呼吸になります。逆に言えばそれは、たとえ精神的に不安定であっても、ゆっくりと規則的な呼吸をすれば精神を安定させることができるということです。また、呼吸は寿命とも関係があります。ゆっくりとした呼吸や長い呼吸を常にしている職業の人は、平均的に長命です。例えば僧侶に長生きの人が多いのは、読経の時に長い呼吸をしなければならないのと、常に平常心を保つようにしているからです。

 ヨーガはヒンドゥー教において、解脱を目指す手段です。しかし、著者自身はヒンドゥー教徒ではありませんし、本書でヒンドゥー教の考えを述べてはいますけれども、読者に何らかの意味で入信を促してはいません。そのような背景があると知るだけでよいでしょう。お金もかからず道具も不要なので、身心の不調を感じておられる方は、本書にある呼吸法のどれか一つでもお試しになられると良いでしょう。

 巻末には高城沙耶さんとの特別対談が収録されています。彼女が呼吸法と出会ったことで、自分の心身がどう変わったかが語られています。呼吸法をこれから始める人にとって一つの参考になるでしょう。
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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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