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『銀河英雄伝説9 回天篇』

銀河英雄伝説〈9〉回天篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説〈9〉回天篇 (創元SF文庫)
(2008/06)
田中 芳樹

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 田中芳樹『銀河英雄伝説9 回天篇』創元SF文庫、2008

 前巻でヤン・ウェンリーが亡くなり、ユリアン・ミンツがその遺志を継いで共和政府を樹立した。他方、帝国側でも不穏な動きがある。皇帝暗殺未遂事件が発生し、暗殺者の正体を知ったラインハルトは過去に犯した罪業に直面し、苦悩する。ここで苦悩するのは、征服者としては未熟なのかもしれない。けれども、苦悩するからこそ、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムとは違う支配者像を打ち出し得ていると言える。

 そして、新領土総督ロイエンタールが叛乱を起こす。それには複数の要因が絡んでおり、仮にロイエンタールが皇帝を凌駕したいと願望していたとしても、一人彼だけに全ての責を負わせる発想は公平さを欠いているだろう。

 1巻でキルヒアイスを失い、本巻でロイエンタールを失う。しかし、覇道は続く。次が最終巻であるが、ラインハルトの治世はどのようになるのか。ヒルダとの関係、ルビンスキーの行方、地球教の暗躍、そしてユリアンたちの共和政府の出方。魅力は衰えない。
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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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