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映画「明日、君がいない」

明日、君がいない [DVD]明日、君がいない [DVD]
(2008/01/25)
テレサ・パーマー、ジョエル・マッケンジー 他

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 「明日、君がいない」 2006 監督:ムラーリ・K・タルリ

 フォーレ作「レクイエム」中の「ピエ・イエズ」が奏でられる中、午後2時37分、一つの命が消える。物語はそこから始まる。そして、映画はその地点にいたるまでの6人の高校生の生活に焦点を合わせる。舞台はオーストラリアの高校だ。その6人は誰もが思春期の悩みと危うさと心の闇を抱えている。

 何が起こったのかという事態の説明はなされない。「心の闇」とか、その他の出来合いの言葉で説明することはできるだろうが、それが何になるだろう。監督は「説明」が無意味であることを知っているのだ。ただ、6人がその出来事をどう受け止めようとしているかを最後に描く。

 いつも笑顔を絶やさず、困っている人を見ると放っておけないあの人が深刻な悩みを抱えているとする。その人はそれを何とかしたいともがいているが、自分ではどうすることもできない。自分が押し潰されそうな不安、無根拠な焦り。助けを求めたいけれど、誰に、どう助けを求めていいのかわからない。世界に見放されているように感じる。

 誰もが自分のことで精一杯だ。その人がまさか深刻な悩みを抱えているなどとは思いもしなかったし、気づきもしなかった。誰も余裕がなく、立ち止まって、他人の話に耳を傾けることもできず、あるいは他人に無関心となる。その無関心が更に誰かを追いつめる。この作品で描かれていることは、日本にいるこの私にとっても遠い国の出来事ではない、切実なリアリティがある。

 例えば、私の親しい人が自死したと聞いたら、驚くだろう。特にその人が自死するような人に見えなかったら尚更驚く。「言ってくれれば力になってあげられたかもしれない」と言うだろう。その人はもしかすると声にも表情にも出さずに助けを求めていたかもしれない。私は自分のことにかかりきりで気付けなかったのかもしれない。けれども、その一方でその人は悩みにまとわりついている不安や恐れや焦りのために、誰かに相談することすらとてつもなくむずかしく感じていたのかもしれない。

 映画を見ながらふとそんなことを思った。他者の悩みに気づけることはあまりない。それだけ余裕がないということなのか。私は無関心なのかもしれない。でも、気づくことができたら、といつも思う。何か力になりたい。

 瑞々しく痛々しい映像だ。悲しい物語だ。自分のことと重ねてしまう。複雑な筋はない。激しいアクションもない。静謐だが、印象は強い。そんな映画だ。
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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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