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『ストレス、パニックを消す!最強の呼吸法 システマ・ブリージング』

ストレス、パニックを消す!最強の呼吸法 システマ・ブリージングストレス、パニックを消す!最強の呼吸法 システマ・ブリージング
(2011/11/17)
北川 貴英

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 北川貴英『ストレス、パニックを消す!最強の呼吸法 システマ・ブリージング』マガジンハウス、2011

 職場や家庭や学校などにおいて、私たちは生活を営む上で多くのストレスを抱えている。ある時は怒り、ある時は委縮し、ある時は動揺し、ストレスから生まれる感情に揺さぶられながら実に多くの時間を過ごしている。そして感情を乱すたびに自らの大切な能力を損ない、健康状態を悪化させ、日々の生活を辛く暗いものへと変えてしまう。

 とはいえ、人が生きていく以上、ストレスを避けて通ることはできない。むしろ困難を避けるのではなく、多大なストレスを受けても動揺や委縮をせず、本来の自分の実力を引き出し立ち向かっていくことで初めて、人生を豊かなものにしていくことができる。そのために本書で紹介される方法が「最強の呼吸法」である。

 「最強の呼吸法」は旧ソ連軍で生まれた訓練法「システマ」の核となる技術である。この技術は格闘技としてのみならず心身の健康法としても高い効果を持つと著者は言う。また、大きな特徴として、習得するために長い時間をかけたり厳しい訓練をこなしたりする必要がないことがある。誰でも短時間で楽しみながら身につけられる。とはいえ、ストレスを感じるどんな状況下でも即座にブリージング(システマの呼吸法を本書ではこう呼称する)を行えるようになるには、日常的にブリージングの経験を積み重ねる必要がある。けれども、その積み重ねも楽しんで行うことができ、「呼吸法を身につけねば」と強迫的になることは全くない。むしろ強迫的になることは、本書で繰り返し指摘されているように、心身に緊張をもたらし、実力発揮の妨げにしかならない。

 ブリージングの一番の効果は、ストレス、緊張、怒り、自己憐憫、傲慢さなど、人生の妨げとなるあらゆるネガティブな感情の源である「恐怖心」をコントロールする点にある。肉体、思考、精神の全てを恐怖心から解き放ち、自由で快適で強い心と身体を養う。

 感情にはプラス面とマイナス面がある。例えば、怒りは現代日本人がしばしば感じる感情であろう。著者も怒りを全否定しているわけではない。怒りがなければ義憤も生まれないのだから。しかし、怒りには自他を傷つけるマイナスの面もある。同様のことは悲しみや恐怖心やプライドにも言える。最高のパフォーマンスを維持するには、どんな感情にも支配されず身を任せず、自らをニュートラルな状態に保つことが必要である。その大きな助けとなるのが「最強の呼吸法」、すなわちシステマのブリージングである。

 私自身、強い怒りを感じることが最近多い。その怒りに身を任せて言葉を発すれば圭角な言葉となり、仮にその意図がなくとも他者を傷つける刃となる。それは結局、自他を損なってしまう。そんな時には身体も緊張している。そこで本書で紹介されている「怒りを鎮めるエクササイズ」を行うと、身体のリラックスに伴い、烈しい感情も静まり、自分が何に怒っているのかを距離を置いてとらえられるようになる。怒りをコントロールし、冷静さを取り戻す上で、ブリージングはとても有用である。

 本書は第一章・二章で恐怖がいかに私たちの身体・思考・精神の足かせとなっているかという原理的な話を語る。第三章から六章が実践編である。つまり、恐怖心を消すためにシステマのブリージングを行うこと、ブリージングの基礎的なエクササイズ、日常への応用、そして護身術というテーマで説明される。けれども、複雑なことは全くない。根本的な原則は「常に呼吸し続ける」ことである。

 「システマを極めたらどのような人になるのでしょうか?」という質問に対して、システマの創始者でロシア正教徒であるミカエル・リャブコは「特別な人になるわけではない。普通の人になるのだ」と答える。神への敬虔な畏れがあるから彼はこう言えるのだ。どれほど強いストレスや恐怖や怒りを感じる状況下でも、常にふつうでいられることはそれ自体とても高度なことである。「あなたは例外になるのではなく、常に普通の人になるのだ」と言う本書はとても変わっている。
 
 言うまでもなく、呼吸をしてもどうにもならない事態というのがある。ブリージングも万能ではないことを本書は正直に記す。そういう事態に際会したら「祈りなさい」とリャブコは言う。軍人として何度も命の危険にさらされた人の言葉だからこそ、この言葉は傾聴に値する。

 対人関係のストレス、突発的なトラブルやパニックへの対処、怒りや恐怖心の克服、スッキリ目覚める等、時間をかけてストレスを解消する暇のない方にブリージングはお勧めである。鼻から吸って、口をすぼめて吐く。吸いすぎず吐き過ぎず、自分にとって快適な呼吸であることがポイントである。更にいろんな応用例を知りたい方は本書を手に取っていただきたい。
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EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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