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『使徒的人間――カール・バルト』

 富岡幸一郎『使徒的人間――カール・バルト』講談社を読了。

 本書はカール・バルトという一人の人間への驚きに打たれた著者が、その驚きに促され、「神の言葉の神学」と呼ばれるバルトの言葉の世界を、自由に旅してみようという試みです。

 「使徒」とは、プラスの人間ではなく、マイナスの人間であるという記述がありますが、それは旧約の預言者に比せられるでしょう。

 旧約の預言者は、民の聞きたくないことを聞かせ、見たくないものを見るようにさせた、しかも人間という被制約性の中で神の啓示の言葉を証言した人々です。

 本書では、20世紀の神学的巨人とも呼ばれるカール・バルトについての1999年における理解が示されると共に、著者がバルトと対話した中で読み取った、バルトの現代性が丁寧に説かれており、バルト理解に重要な貢献をなしたものと言えるでしょう。
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プロフィール

EMI Takashi(ヒソカ)

Author:EMI Takashi(ヒソカ)
2005年に神経性疾患を発病し、体調記録をつけるためにブログを始めました。そして、読書能力の回復に伴って、本のレビューを書くようになったものの、最近は時間を作れず、やや休止中でございます。

 数年前、出版社で働くようになりました。仕事そのものが面白く、その都度自分で課題を見つけて解決するというプロセスが楽しい。
 このブログでは、「扉の開いた」言葉を求めつつ、この世界に生きる一人の人間としてキリスト教・世界に対して疑問に思うことを考察していきます。単に評論家的な批評をするのではなく、自分でできることを示せるような、自分の持ち場に立った言葉を紡いでいきたいです。

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